日本の浴室の歴史に学び、現代の浴室を考える。
下記に浴室の歴史をまとめる。
■初期
温泉や自然の洞窟を利用したものがある。
キーワードは「自然」
■6世紀
仏教の伝来とともに、お風呂の文化が中国から伝わる。
仏教でお風呂に入ることは「七病を除き、七福を得られる」と説かれていた。
キーワードは「健康」と「福」
■奈良時代
寺院では浴堂が備えられる。
東大寺の大湯屋(推定701年から800年、1239年大改造)
法華寺の浴室(奈良時代)
相国寺の浴室「宣明」(推定1400年頃)
一般には普及していなかったため「施浴」として庶民も利用できるよう慈善事業が行われた。
キーワードは「身を洗い清める」「施浴」
■鎌倉時代、室町時代
幕府や寺院により施浴の習慣が受け継がれる。
縁者たちを招待して風呂や食事を振る舞う「風呂ふるまい」
キーワードは「ふるまい」「宴会」
■江戸時代
「銭湯」の登場
蒸し風呂の一種である「戸棚風呂」の形式(今でいうサウナ形式)
湯気が逃げないように出入り口は「石榴口」として工夫された
当時は男女混浴
キーワードは「社交場」「憩いの場」
■慶長年間の末
「据え風呂」の登場
一般家庭に普及する
桶の中に鉄の筒を設置した「鉄砲風呂」
桶の底に平釜を設置した「五右衛門風呂」
キーワードは「一人利用」
■明治時代
銭湯は「改良風呂」となる
これは浴槽に湯をたっぷり入れ、
洗い場は広く、天井は高く開放的な空間となった。
キーワードは「清潔感」「開放的」
■大正時代
近代化が進む
タイル貼り、水道設備の普及
キーワードは「衛生面の向上」
■現代
電気・ガス利用等の風呂の「多様化」
温度自動調節、乾燥機能などの「高度な機能」
ジャグジーや照明計画など「エンターテイメント性」
スーパー銭湯などの「複合化」
バリアフリー等の「快適性の追求」
暮らしの中の「癒し」