今回は、内装仕上げのひとつとして採用したシナ仕上についてご紹介します。
シナ(品名:シナ合板)は、広葉樹の一種であるシナノキを原料とした合板材。
木目が繊細で表情もやわらかく、内装仕上げ材として根強い人気があります。
今回のプロジェクトでは、t4〜6mm程度のシナ合板を壁仕上げとして使用しています。
比較的価格も抑えられており、なおかつ表情が美しいため、空間に木の質感を取り入れたいときにぴったりの素材です。



<仕上げのディテール>
今回の施工では、以下のような仕様としています:
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下地材:石膏ボード
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出隅:トメ加工(突き合わせを45度で処理)
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目地:突きつけ+角を軽く落とす(小面取り)
目地をあえて見せず、シンプルで端正な仕上がりを目指しました。
控えめながら、木目が美しく引き立ち、素材の持つ魅力が素直に伝わってくる印象です。
<材料の割付と流通サイズ>
シナ合板は、一般的に900×1800mmサイズまでであれば、流通材としてスムーズに入手可能です。
今回はこのサイズ感に合わせて割り付けを行い、現場でも無駄なく施工できるように計画しました。
<シナ材の魅力>
シナは、ナチュラルでやわらかな表情を持つ素材です。
主張しすぎず、でもしっかりと空間に温かみと質感を与えてくれるところが魅力。
どこか「紙のような軽やかさ」も感じられるテクスチャで、静かな佇まいの空間づくりに向いています。
施工の様子や仕上がりの写真と合わせて、空間の中でどのように木の表情が活かされているか、今後も記録していきたいと思います。