重なりという風景|建築と営みのあいだに


Layered

重なりの思想について

 

 

まちの魅力は、時間と営みの積層によって生まれる風景に宿ることが多いように感じます。

写真(左下、図1)は、イタリア・フィレンツェのヴェッキオ橋を写したものです。1345年に架けられた石造の橋に、時代とともに回廊や商店が加わり、現在のような独特の形をつくり出しています。構造的にも、用途的にも、歴史的にも「重なり」が存在し、それがこの場所にしかない空気を生んでいるのだと思います。

 

このような重なりのあり方は、建築にも多くの示唆を与えてくれます。たとえば、大きな土木スケールの基盤があり、そこに人のスケールでの営みが折り重なっていく構造。あるいは、すでにある場所に新たな振る舞いをそっと重ねるように設計すること。建築が営みの土台になることもあれば、既存の土台に営みが積み重なっていくこともある。その両側面を意識することで、単なる形式ではない、生きられる空間のヒントが見えてくる気がしています。

 

「重なる」という行為は、単に上に乗せることではなく、すでにあるものと関係を結びながら新しい意味を紡ぐことでもあります。
そして、そうした重なりのなかに、私たちが自然と身を置きたくなる空間の手がかりが見えてくる気がします。

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