木板塀の表情をつくる|杉板と塗装の話


 

“木板塀”の塗装と表情

 

今回は、外構の「塀」に使用する**木板(杉板)**の選定プロセスをご紹介します。

素材として木を使う場合、耐久性風合いをどうコントロールするかが重要になります。
とくに屋外で使用する塀の場合、雨や紫外線の影響を受けるため、保護塗料の選び方もポイントになります。

 

 

杉板と塗装の比較

 

下の写真では、杉板の塗装前後の比較をしています:

  • 左:杉板の素地(無塗装)

  • 中:オスモ ウッドステインプロテクター「パティナ色」1回塗り

  • 右:オスモ ウッドステインプロテクター「クオーツグレー色」1回塗り

木材は時間とともに、雨や紫外線の影響で自然にグレー化していきます。
今回選んだ塗料は、あらかじめグレーのトーンを含んだ色味にすることで、経年変化後も自然に馴染むように意図しています。

 

 

 

保護塗料について

 

木板塀の塗装には、以下のような定番の塗料をよく使用します:

  • オスモ ウッドステインプロテクター

  • キシラデコール

どちらも耐候性に優れた屋外用の木材保護塗料で、色のバリエーションも豊富です。

ただし、塗りすぎには注意が必要です。
重ねて塗装しすぎると、せっかくの木目が隠れてしまいます。

そこで私たちは、

  • 1回塗り+クリア仕上げ という方法で、保護性能と木の表情の美しさを両立させるようにしています。

 

 

別物件での素材バリエーション

 

以下は、別の物件で使用した塀材の一例です:

  • 左:杉板(ウッドロングエコ塗装)|木もちeフェンス

  • 右:セランガンバツ(中山源太郎商店の製品)

セランガンバツは、**ハードウッド(広葉樹系の硬木)**と呼ばれる種類で、耐久性・堅牢性が高く、見た目にも“かちっとした”印象になります。

感覚的にいうと——

  • 柔らかい印象の庭には → 杉板

  • しっかりした印象の庭には → セランガンバツ

と、植栽や建物の雰囲気にあわせて使い分けることが多いです。

 

 

色を探すプロセス

 

塗装色を決める際は、キシラデコールやオスモの色を実際に混ぜながら検討しています。

写真はその検討の様子。
複数の色味を組み合わせながら、「これだ」と思える色を見つけていくプロセスです。

塀だけでなく、外壁のアクセントとしても使えるため、
赤みのあるブラウンや、濃いグレーなど、日々試しながら色のストックを増やしています。

 

 

素材の個性と時間の経過をたのしむ

 

木材は、塗った直後だけでなく、時間とともに変化していく表情も魅力のひとつです。

外構や塀の素材選びは、**“今どう見えるか”だけでなく、“数年後にどう育っていくか”**を想像しながら選ぶようにしています。

設計においても、素材選定においても、時間の経過を味方につけることはとても大切。
今回の選定プロセスが、どなたかの参考になれば嬉しいです。

 

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