少々マニアックなテーマですが、今回は「砂利の選定」についてのお話です。
外構に欠かせない砂利。
実はその色や粒感によって、空間全体の印象は大きく変わります。
今回は、あるプロジェクトで検討した「国産の砂利」について、候補となったものをいくつかご紹介します。

<国産砂利の候補たち>
今回ピックアップしたのは、すべて日本国内で採れる砂利たち。
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御浜(みはま)|三重県産
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新南部(しんなんぶ)|京都府産
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追沢砂利(おっさわじゃり)|岐阜県産
私たちは大阪を拠点としているので、できるだけ「地域の素材を使う」という視点で選んでいます。
敷地周辺の山や川から採れる素材がベストではありますが、実際は地域ごとに採石場の特性や色味の傾向があります。
<それぞれの地域の特徴>
たとえば——
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岐阜県は川の種類が豊富で、川砂利のバリエーションも多いとのこと。淡い色から深い色まで、表情もさまざま。
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兵庫県は色味のある砂利は少なく、グレー系のシンプルなトーンが中心です。これもまた場所によっては合う色味です。
素材選びって、実はその土地の地形や歴史にも触れる面白さがあります。

<事務所での「砂利体験」>
写真は実際に取り寄せた「新南部」20kgの袋。
質感や重さを体感できるように、事務所にストックしています。
新南部は、ほんのりと土の色に近く、敷いたときに周囲の環境と自然になじむのが特徴。
経年変化しても、派手すぎず落ち着いた雰囲気になる点が気に入っています。



<砂利の購入方法について>
「どこで砂利を買えばいいの?」という質問もよくあります。
基本的には以下の2パターンがあります:
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造園屋さんに依頼する
近隣の採石場からトラックで大量に運んでもらえます。輸送費はかかりますが、広い面積で使う場合は圧倒的にコストパフォーマンスが良いです。 -
ネットで直接購入する
ホームセンター系や専門店のオンラインショップで、1袋単位で気軽に購入可能。単価はやや高めですが、少量で足したいときには最適です。
用途や規模によって、どちらの方法が合っているかを見極めることが大切ですね。
<素材から空間を考える>
砂利のような一見地味な素材でも、選び方ひとつで空間の印象はぐっと変わります。
私たちは、素材そのものの“らしさ”や、経年変化していく過程も含めて、その場にふさわしいものを選びたいと考えています。
ちょっとマニアックだけど、そんな視点も大切にしたい。
素材選定の舞台裏、また別の機会にもご紹介していきます。