設計の現場では何を使ってる?学生からの質問に答えてみました


 

インターンシップで事務所に来ている学生から、こんな質問を受けました。

「設計ではどんなソフトを使っているのですか?」
「どうやってパースを書いているのですか?」

建築やインテリアを学ぶ学生にとって、現場のリアルな設計フローはとても気になるところだと思います。

 

 

コレッドデザインオフィスでは、大学や専門学校からのインターン生を各シーズンごとに数名程度受け入れています。

建築学科の学生もいれば、インテリアデザインの専門学生もいます。
学びの背景はそれぞれ異なりますが、「設計やデザインの現場で、何が行われているのかを肌で感じてほしい」という思いで、できる限り多くのことを共有するように心がけています。

 

 

使用している設計ソフトについて

 

現在、コレッドで使用している主なソフトは以下の4つです:

  • Vectorworks:作図用

  • SketchUp:3Dモデル作成用

  • SU Podium:レンダリング用(SketchUpのプラグイン)

  • Photoshop:パース仕上げ用

これらのツールで、設計からパース制作まで一連の作業が完結します。

10年前は3Dのレンダリングに非常に時間がかかっていました。
当時は一晩中パソコンを動かして、24時間後にようやく1枚の画像が完成…なんてことも。

でも今では、性能の進化によって「即時レンダリング」が可能になり、重いデータでも10分あれば十分です。効率が上がったぶん、表現や精度にもっと注力できるようになりました。

 

図1)ポディウムのレンダリング 影なし天空光のみ

図2)ポディウムのレンダリング 影あり太陽光のみ

図3)スケッチアップ そのまま書き出し

図4)図1〜3を使ってフォトショップで加工したパース

 

パース制作の流れ

 

ここでは、レンダリングからパースまでの大まかな手順を紹介します。

 

図1)
まず、天空光だけでレンダリングした画像を「下絵」として書き出します。
この段階では画像が少し暗めですが、Photoshopで明るさを調整すれば問題ありません。

図2)
続いて、影をつけた状態でレンダリング。
影あり/影なしを分けて保存しておくと、後から影の濃さを自在にコントロールできます。

図3)
最後に、SketchUpの「そのままの画面」も活用します。
少し漫画っぽい描写が加わることで、リアルと抽象のバランスがとれた、独自の世界観を表現できます。
これは「リアルに見せる」ことだけがパースの目的ではなく、「伝える」ための手段として考えているからです。

 

 


パースは“伝える”ための道具

 

パースは「自分の考えや空間の魅力を人に伝える」ための重要なツールです。

リアルな3Dをただ描くだけでなく、時には鉛筆スケッチのように、想いを込めて描くこともあります。
パソコンに道具が変わっただけで、本質は変わっていません。

歴史上、たった1枚のパースが世界中の建築に影響を与えた例もあります。
そうしたパースには、「強調」や「取捨選択」が含まれていて、見る人に強く訴えかける力があるのです。

 

表現には“具体”と“抽象”がある

 

具体的な描写でリアルに伝えることも大切ですが、抽象的な表現によって空間の“雰囲気”や“意図”を伝えることもできます。
どちらが良い悪いではなく、「このプロジェクトには、どんな表現が合うのか」を考え続けることが、表現の精度を高めてくれます。

 

意志を込めて描いたパースは、自然と人の心に届きます。
これからも、そんな「伝える設計」を大切にしていきたいと思います。

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