設計を考える上で、たびたびテーマになるのが「シェア空間」です。シェアオフィスやラーニングコモンズのように、ひとつの用途に限定されず、さまざまな使われ方を受け止める空間を、どのように設計していくかを考えてみます。シェア空間には、グループ利用や個人作業、発表や展示など、多様な活動に対応する柔軟さが求められます。あわせて、飲食や読書など気分を切り替えられる居場所、情報を共有するための仕組み、運営を支えるバックヤードなども欠かせません。そのうえで最も大切なのは、人と人との関わりが自然に生まれることだと感じています。設計の視点として意識しているのは、空間の中に「少し特別な場所」をつくることです。光や風、緑があることで場に余白が生まれ、象徴的な居場所があることで、人は自然と集まります。
シェア空間のシーン整理
スケッチをもとに、想定している使われ方をいくつか整理します。入口付近には、立ったまま会話や作業ができるスタンディングの場。ミーティングには、対話しやすい距離感を。集中したい人のためには、隣との距離を確保した個人席を用意します。書籍や情報端末を置いたシェアライブラリは、人をゆるやかにつなぐ場として機能します。壁面には展示ウォールを設け、日常的な情報共有からイベントまで柔軟に対応できるようにします。最終的には、これらのシーンをその場所の特性に合わせてどう組み合わせるかがポイントになります。ただ機能を満たすだけでなく、「なんとなく関わりたくなる空気」をどうつくるか。その積み重ねが、人が集まり、使われ続けるシェア空間につながっていくのだと思います。
