シナ仕上という選択について
今回は、内装仕上げのひとつとして採用した「シナ仕上」についてです。シナ合板は、広葉樹であるシナノキを原料とした合板材で、繊細な木目とやわらかな表情を持つ素材です。空間に静かな温度感を与えてくれます。今回のプロジェクトでは、t6mmのシナ合板を壁仕上げとして用いました。コストを抑えながらも、木の質感をきちんと感じられる点が魅力です。主張しすぎず、それでいて空間の印象を確実に底上げしてくれる存在です。施工にあたっては、下地を石膏ボードとし、出隅はトメ加工、目地は角を軽く落としたうえで突きつけとしています。ディテールを抑えることで、シナ特有のやわらかな木目が素直に立ち上がります。材料の割付については、一般的な910×1820mmサイズを前提に計画しています。シナ材は、ナチュラルで軽やかな印象を持ちながら、どこか紙のような静けさも感じさせる素材です。強い個性を前に出すのではなく、空間全体をそっと支えるような存在。今後もシナ仕上が空間の中でどのように生きていくのか、記録していければと思います。
