THE NEXT SCAFFOLD
建物をつくるための「足場」を、
地域で何かを始める人のための「足場」へ。
使われなくなりつつある足場丸太を、地域の活動を支える仮設空間へ。
場所や使う人に応じて組み替え、使い終えた材は、また次の場所へとつないでいく。
武庫川での試作|兵庫、2026
足場丸太を現地へ運び、周囲の風景や木陰、人の動きを読みながら組み上げる。骨組みに椅子や小さな台を加え、居場所としての使い方を確かめた。
場所に応じて、使い方を変える
次の足場
THE NEXT SCAFFOLD
足場丸太は、かつて建築現場で人や材料を支える仮設材として使われてきた。しかし、鋼製足場の普及とともにその役割を失いつつあり、使い込まれた丸太が各地の倉庫や解体現場に残されている。京都・亀岡にある、私たちと協働する大工の拠点「ダムの倉庫」では、材木市場や廃業した材木屋などから足場丸太を引き取り、次の使い方を見据えて蓄えている。
「次の足場」は、こうして集めた丸太を、地域の活動を支える仮設空間へと組み替えていくプロジェクトである。一本ごとに異なる長さや太さ、色艶、傷、使われてきた痕跡を読み取りながら、できるだけ手を加えず、繰り返し組み直すことのできる骨組みとして用いる。
武庫川での試作では、足場丸太を現地へ運び、周囲の風景や木陰、人の動きに応じて組み上げた。はじめは輪郭だけだった骨組みに、椅子や小さな台、布などを加えることで、休憩したり、集まったり、何かを始めたりするための居場所が生まれた。完成された用途を先に決めるのではなく、場所や使う人との関係から、その都度かたちを見つけていく。
小さな什器や屋台から、日除け、展示空間、遊び場、小屋へ。使い終えた丸太は解体して倉庫へ戻し、別の場所で再び組み替える。かつて材木屋が担っていた、木を蓄え、一本ずつ見立て、加工し、職人や使い手へつなぐ営みを、現代の地域のなかにひらき直す。懐かしい風景を保存するのではなく、すでにある木を受け止め、地域の活動へとつなぎ直す新たな仕組みを構想している。
建物をつくるための「足場」を、地域で何かを始める人のための「足場」へ。
